ちくわの穴

ちくわの穴から見た世界

高坂正堯『国際政治』

50年ほども前に書かれた本でありながら、国際政治の本質的な部分をえぐり取り、しかもそれを国際政治の知識を十分に持たない読者にも理解させる、凄まじい本。

国際政治はそもそもが複雑なものであるのに、それを単純な図式で捉えようとすることがうまくいくわけがない。
国際政治の理解は、その複雑な性格の理解に始まり、その理解に終わるとまで筆者は言う。
その複雑な理解の一端を見せてくれるのが本書である。

筆者、高坂正堯の冷静な分析的視点から語られる国際政治についての説明は、50年前に書かれたものとは思えないほどに、現在の理解にも役立つ。
この本では、軍備、経済、国際機構という三つの観点と平和との関連で、国際政治における国家の性格が明かされていく。
どの性格に着目しても、やはりそこには大きく、多様な困難がつきまとっている。
重要なのは、そのような困難を認識しつつ、それに冷静に立ち向かっていくことなのである。